コラム

no.008
新人に求められる「ペーペーシップ」の本質

2014年12月03日 | マーケティング推進部 ゼネラルマネジャー 菅桂次郎

【LC辞典の解説】

ペーペーシップ 【peh-pehship】
1.新人に期待される振る舞い。
2.気づく力。先回りする力。
3.謙虚さ。「―に欠ける」

既に造語として使われることもある「ペーペーシップ」という言葉。早いもので来期の新人教育を企画・検討するタイミングであるため、良し悪しの議論はさておき、彼らがスムーズに社会に適応していくうえでポイントとなるこの「ペーペーシップ」について考えてみたい。

「最近の若者は・・・」というフレーズ。気づけばプロ野球選手も相撲の横綱も、みんな年下になってしまった今、言われる側だった私も、いつの間にか言う側の人間になっている。
※中日ドラゴンズの山本投手(49歳)のような例外は存在するが・・・

このフレーズについては、古来から新人類である若者を揶揄するものとして、日本では「枕草子」で、さらには紀元前2000年の古代アッシリアの碑文、紀元前3000年の古代エジプトに送られた粘土板にも残されているという。

「昔はよかった。それにひきかえ現在は・・・」というものを拡大解釈したものという見方もあるが、事の真実はさておき、古今東西、マイノリティとなる若者の行動や志向性が受け入れられない、換言すれば、一般常識として形成された社会のルールになかなか適応できない若者の苦悩が読み取れる。

しかし、大多数の新入社員が“常識”という名の壁にぶつかる一方で、上司や先輩から可愛がられる新人も存在する。その違いはどこにあるのであろうか。

それが「ペーペーシップ」ということになるのだが、本質には何があるのか。私の解釈としては、「正しい自己理解を前提とした、謙虚さの顕れ」であると考える。

けっして、常識という名の大勢に安易に身を委ねること、迎合することではない。大切なことは、「自身が持つ価値基準」と「常識」との間にあるギャップを知り、置かれた立場や状況に合わせて自身の行動を選択することにこそ、この言葉の本質がある。

そういう意味では、かなり高度なレベルを要求される訳だが、その大前提として、「謙虚さ」という人間としての基本姿勢が問われているのだろう。

相手の意見や価値観を素直に受け入れようとする姿勢にこそ、新たな発見や自己成長の可能性が広がるのではないだろうか。

そして我々は、この言葉の持つ本質を「自分たち」にも当てはめてみる必要がある。新人に期待する「謙虚さ」を、我々は見失っていないだろうか、と。

「企業が持つ常識」の中に組み込まれる新人という名の異物。新人と受け入れる側である我々の双方が、お互いの持つ価値基準をベースにした「常識」の間にあるギャップを理解し合い、新たな価値を生み出す「非常識」を創造していくというスタンスが、私たちにこそ求められているのではないだろうか。