コラム

no.015
採用活動における「見極め」と「口説き」のバランス

2015年05月29日 | 取締役 菅桂次郎

混乱からスタートした2016年度採用活動。

経団連の倫理憲章には法的拘束力はないとは言え、大手企業をはじめ中堅・中小企業でも、その影響は小さいとは言い難い。そして何より、「超」売り手市場であり、我が社も苦戦している。

そのような採用市場環境ということもあり、各社ともに優秀な人材を如何に見極めるかが課題となっており、評価基準の作成や選定方法のアドバイス等々、相談を受けるケースが増えている。

一方で、「見極め」に大きな注意・関心が向かうことに比して、「口説く(惹きつける)」という要素がすっかり抜けてしまっている企業もあるように感じてしまうのは私だけであろうか。

本来採用とは、相互のマッチングである訳で、“両想い”になるためには、企業側も学生側も「見極め」だけではなく、「口説く(惹きつける)」も「見極め」と同様に重要なはずである。採用時の「口説き」とは、つまりは「応募者の入社意欲を高める」ことだ。

そしてもう一つ。
応募者の「見極め」の対象は、企業という大きな箱ではあるのだが、それを印象づけるのは、正対する「人事担当者その人」なのである。「口説く」の主語を変換すると、「魅力を感じる」になり、まさに「人事担当者の魅力」こそが、最終局面で重要な要素となってくるのだ。
※特に我が社のような規模の企業では尚更である

学生に求める要素として挙げられるのは、「主体性」「向上心」「チャレンジ精神」「自考力(自ら考える)」「柔軟なコミュニケーション力」などであろう。一方で、学生が採用担当者の何に魅力を感じるのかとして考えられる要素はどうだろう。

  • 「洗練された所作・振る舞い」(人間としての品格の高さ)
  • 「生き生きとして目が輝いている」(仕事への誇り)
  • 「会社のビジョンを我が事として語っている」(会社への誇り)
  • 「自分の夢に向かって邁進している」(自分の人生への誇り)

自分で書いていて、はっと気づかされる。
学生にとって自分は魅力的な人間なのだろうかと。

優秀な人材を獲得するための最短ルートは、「見極める力を磨くこと」ではなく、社員個々人の「自分磨き」なのかもしれない。