コラム

no.016
「変化と進化」を考える ~キリンの首はなぜ長くなったのか~

2015年06月24日 | 取締役 菅桂次郎

「この世に生き残る生き物は、最も力の強いものか。そうではない。最も頭のいいものか。そうでもない。それは、変化に対応できる生き物だ。」

ダーウィンが残したとされる有名なフレーズ。「変化」の激しい昨今のビジネス環境において、改めて考えさせられる言葉である。

組織には「慣性力」が存在する。何か新たなことを始めようとする際、必ず「元に戻そうとする力」が働く。慣れ親しんだ環境を捨て、未開の地に足を踏み出すことは自身の生存を脅かす行為として、人間の根本にある本能がストップをかけるのだろう。

今回は、この変革を阻む「慣性力」について考えてみたい。

「個人の成長」も「組織の変革」も、根底にあるものは同様で、「現状を否定し、その事実を受け入れ、負を埋めるまたは更なる正を獲得するために努力する行為」があってはじめて到達できるものである。むしろ「努力する行為」こそが、成長・変革の証なのだと思われる。

ただし、頭では理解できても、やはり「変化」は怖いものなのだと思う。急激な変化となれば尚更で、変化を楽しむことができる人も存在するが、大多数の人間にとっては、日常を捨てる行為は怖いのだ。

だからこそ、個人という自分自身の人生に影響する問題であったとしても、「自己変革」の必要性は理解できても、なかなか変化に適応することができない。もっと言えば、「自分でブレーキを踏む(邪魔をする)」という積極的な阻害要因になってしまうことすらある。

いまはまさに変化の時代である。昨日成功したことが、今日も成功するとは限らない。「現状維持」は「停滞」ではなく「衰退」なのだ。

では、この「慣性力」に対抗するために我々人間はどうすればよいのだろうか。一つの解は、やはり「意志の力」なのだと思う。

キリンの首はなぜ伸びたのか。私は生物学者ではないので、この手の領域の知見は全くない。あくまで素人の私見であるが、『何代もの時をかけて、徐々に伸びていったのではなく、環境変動等のなんらかの「変化」の必要性にかられ、ある世代において急激に首が伸びた種(突然変異)が生まれ出たという「進化」が起きた』のだと思う。

それはきっと、「生きる」という圧倒的な意志の力が、キリンの首を急激な「進化」へと導いたのだと信じたい。

「慣性力」という人間の本能に打ち勝つためには、「変わりたい」という圧倒的な意志による本能への挑戦が問われていて、そこに打ち勝ったモノのみが、「変化」の先にある「進化」へと歩を進めることができるのだと思う。

本能に打ち勝つ意志の力の醸成。人生をかけて挑戦してみる価値のある取り組みなのだろう。