コラム

no.021
『本当にこれで変われるんですかね・・・』

2015年11月27日 | 取締役 菅桂次郎

『本当にこれで変われるんですかね・・・』

先日、とある企業での商談後、人事担当者様がボソッと漏らしたお言葉。何とか変わってほしい、でも自分のことに置き換えたとき、本当に変わることができるのだろうか?という当事者意識から出てきた本音。

  • 人は変われるのか、それとも変われないのか
  • 変われる人と変われない人の違いは何か
  • 今の自分は過去の自分から変われているのか
  • そもそも変わるとは何なのか

人材育成業界に携わる者として永遠に追求すべきテーマ。変化という名の「成長」を如何に促進させるか。今回のコラムでは、「人の変化」について考えてみたい。

そもそも「変化」とは何なのか。まずはここから定義してみたい。
細胞レベルで考えれば、産まれ出た当時の自分と今の自分とでは、まったく別人になっているはずであり、変化どころの騒ぎではない。可愛かった赤ん坊が、なかなかのオッサンへと進化(退化)している。 では、冒頭の人事担当の方がおっしゃられた「変わる」とは、何を指しているのだろうか。

それは、行動パターン、思考パターンといった長い年月をかけて形成された個人が保有する習慣や特性に気づくこと、さらには、それを固定化させる自分自身の「囚われ」から解放され、よりよい姿の実現に向けて、自分らしく振る舞うことを指しているのではないだろうか。

外見的な変化というよりは、内面の変化であるため、大人の変化は、非常に自覚しづらく、かつ第三者からも見えづらい。

そして、この「変化の本質」を表現する言葉に、メジャーリーガーのイチローが残した名言がある。『小さいことを積み重ねるのが、とんでもないところへ行くただひとつの道だと思っています』

  • 1分前の自分と今の自分
  • 昨日の自分と今日の自分
  • この短期間における自分の変化を実感できる人は多くは存在しない。

死に直面する、生命の素晴らしさを再確認する、妻からとんでもない罵声を浴びせられる・・・など、圧倒的な出来事(転機)に直面したとしても、変化を実感できるのは少し時間が経過した後、自分自身を振り返ったときに「あぁ、あれが自分の転機だったな」と、はじめて実感できることなのだと思う。

「変わること」の本質的な悩みは、「変われないこと」ではなく、「変わったことに気づきにくい」ということではないだろうか。特にビジネスの場面では、とにかくスピードが要求されるため、「変化の中身」と「変化のスピード」の双方が満たされていないと「変わった」にはならないのだ。

一方で、「変化の中身」も重要である。退化も変化の一つの形なのだ。あくまで、よりよい方向に向けて変わることが大切であるわけだが、「分かっているけど変われない」というのが、人間が人間である証明なのであろう。

この、「分かっているけど変われない」というテーマについては、現在弊社で実験中でもあり、そこから得られた知見については、コラム<no.021「変化の質」を高めるための4つの取り組み>をご覧いただきたいと思う。

壮大な目標を持ちつつも、いつもと違う自分を少しだけ表現してみる。この「少しだけ」の蓄積が、いつか訪れる転機において飛躍的な変化(成長)へと繋がる唯一の道だと信じ、まずは、さっきと違う一歩を踏み出してみよう。