コラム

no.046
習慣化させることの大切さ ~アクションプランシートは無意味なのか~

2017年11月30日 | 取締役 菅桂次郎

様々な研修の最後で必ずと言っていいほど盛り込まれるセッションに「アクションプランシートの作成」がある。概ね30分~1時間程度の時間をかけている。研修から得た学びを現場で活かすべく、目に見える行動として実践すべく、明日から取り組むことを個々に落とし込んでいくというものだ。

ただ、正直なところ「自分で書いたはずの計画」を本当に実行に移し、継続している人の割合は、ほんの数パーセントなのである。研修の効果という観点で考えても、研修プログラムを提供している会社としては、実は最も頭を悩ますセッションの一つなのだ。

また、このセッションの裏目的に「人事の成果」という一面もあることが、さらに事を複雑にしているのだと思う。

要は、研修を実施した後に残る「目に見える成果」がアクションプランシートのコピーであり、研修を企画した人事のために実施しているという点も否定できないため、受講者側としては「大人が書くそれらしい内容」に仕上げるプレッシャーも絡んでくるのだ。

今回のコラムでは、研修プログラムのある意味でタブー領域であるかもしれない「アクションプランシートの作成」について考えてみたい。

少し話は変わるが、歳のせいなのか、ここ数年、朝起きる時間が早くなってきている。20代の頃、当時の先輩方にお話を聞いた際、想像もできなかったことが、今、私の日常の中で起こっている。目覚まし時計に頼ることなく、5時過ぎには目が覚めるのだ。それは「起きるまで寝ても良い」休日であっても同じ。決して、今日は「遠足の日」ではないはずなのに。

今思えば、事の始まりは4年前の部署異動だった。営業組織から現在のスタッフ部門への異動が決まり、自分なりに働き方改革を断行したのだ。これまでは営業活動の合間の移動中や喫茶店などで行っていた「思考する時間」を確保するために、早朝出社をすることに決めたのだ。

当初は、朝起きることそのものが苦痛であり、生産性は落ちたかもしれない。「思考する時間」の確保が大目的であったものの、頭が動かないのだ。それくらい、人間が長い年月をかけて習慣化されてきた行動や思考は、簡単には変えられないものだった。

しかし、今回のテーマであるアクションプランを本当に実行し、継続させるためのヒントがそこにはあったように感じる。

それは、「まずは3日間だけ続けてみよう」という思想だ。

当然、個人差はあるのだとは思うが、私にとって高尚な目標だけでは、絶対に長続きさせることはできなかったはずだ。また、3か月先、半年先まで継続させることは心理的にも厳しいものとなる。だからこそ、「まずは3日間だけ7時半出社を実施してみよう」という比較的ハードルの低い目標設定が重要になるのだ。

そして、3日間継続できたら、また3日間頑張ってみるという「意思の弱いダメ人間向けのアプローチ」が自分にはフィットしたのだ。

目標を細かく刻むことで、意識して行う行動が積み重なり、3週間後には、早起きしないと気持ち悪く感じられるようになったのだ。いま思えば、意識的な行動が習慣という無意識化された行動に変容する閾値が、3週間という時間だったのだろう。結果、当初の目的である「思考する時間」の確保が達成され、生産性も高まったはずだ。

あくまで私の個人的経験の話であるために再現性は約束できるものではないが、今回のテーマである「アクションプランシートの作成」を本当に実行へと繋げるためにも、さまざまな工夫を施す必要があるのだと改めて感じている。

準備された共通の指定フォーマットに書き込ませる時間にするのではなく、目的の明確化、具体的かつ“些細な”行動目標、想定される閾値の設定など、「習慣化」への具体的な要素とステップを洗い出すとともに、個人に合ったアプローチ方法に落とし込むためのメソッドを確立させたいと思う。

今回の私の成功体験が、単なる年齢的な要因ではなく、私の戦略的な活動の結果なのだと信じて。